予選6回戦、決勝トーナメント3回戦を終え、残るは決勝戦。
最後の戦いに駒を進めたのは共に切磋琢磨を続けた二人だった。

「水闇自然デッドゾーン」を繰るばんぱく。
「自然単サソリス」の名手マル。


試合開始の準備はふんわりしたと空気が漂う。
超次元ゾーンを見せ合う様はもしかしたらここは家なんじゃないかと思わせるほどに。

だが互いのデッキを受け取りシャッフルを進めるうち、
徐々に緊張が高まる。
いくら気を許した相手といえ決勝の舞台。
今この時は越えなければいけない最後の壁として、
親しい友人が双方に立ちはだかる。


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Game1

予選を3位で通過したばんぱくが先攻を選択する。

先に動きを見せたのはのはマル。
《霞み妖精ジャスミン》でマナを加速させたのち、
《ダンディ・ナスオ》で《次元流の豪力》をマナゾーンに迎え入れつつ、
《天真妖精オチャッピィ》で更なる加速を果たす。

ばんぱくも順調なマルの動きを黙って見ている訳にもいかない。
《ディメンジョン・ゲート》により手札に加えられた《解体人形ジェニー》によりゲームプランを崩しにかかる。
公開されたカードは
デッキのキーカードとなる《龍覇 サソリス》と
放っておくことで、自身の展開に呼応し更なる展開をされてしまう《革命目 ギョギョウ》
少し考えた後、ばんぱくは《龍覇 サソリス》を墓地へと落とす。

が、マルが山札より引き寄せたカードは、先ほど墓地に落とされた《龍覇 サソリス》。
これには二人を囲むギャラリーもざわめき立つ。
《龍覇 サソリス》が超次元ゾーンから《邪帝斧 ボアロアックス》を引き抜くと、
更にマナゾーンより《次元流の豪力》が戦場に駆けつけ
《勝利のリュウセイ・カイザー》を展開する。
たった一枚のカードからこれだけの展開ができるのが「自然単サソリス」の底力か。
ターンエンド時に《邪帝斧 ボアロアックス》が《邪帝遺跡 ボアロパゴス》へと姿を変える。

更に帰ってきたターンでダメ押しと言わんばかりに《呪紋のカルマ インカ》を召喚したところで、
ばんぱくが手早くカードを畳む。
苦笑いしながら自身のデッキを入念にシャッフルし、次のゲームへと意識を切り替える。


マル 1-0

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Game2

再び先攻はばんぱく。
《フェアリー・ライフ》《解体人形ジェニー》と順調にゲームを展開し、
公開されたマルのハンドから《天真妖精オチャッピィ》を引き抜く。

既に役目を果たした《解体人形ジェニー》だが、
このクリーチャーを残しておくと《復讐 ブラックサイコ》を重ねられてしまうので、
マルは《掘師の銀》でこれをマナゾーンへと送りつつ自身のマナを加速させる。

これに対しばんぱくは、
先のターンに公開された手札の中に見えた《龍覇 サソリス》を警戒し、
《超次元リバイヴ・ホール》より《勝利のリュウセイ・カイザー》を呼び出す。

マナを縛られてしまい《龍覇 サソリス》を出すことが出来なくなってしまったマルは、
《雪精 ジャーベル》を召喚し、効果により《龍覇 マリニャン》を手札に加える。
が、これは返すターンで《復讐 ブラックサイコ》により《龍覇 サソリス》もろとも墓地へと送られてしまう。
この《復讐 ブラックサイコ》自体はトップデッキした《古龍遺跡エウル=ブッカ》で退けるものの、
依然として厳しい展開が続く。

先ほどのゲームが「自然単サソリス」の展開力を発揮したのに対し、
今回のゲームでは「水闇自然デッドゾーン」のコントロール力が光る。
自然単色である以上純粋な手札の増加は見込めない。
手札破壊戦略が突き刺さる。

その後マルは《革命目 ギョギョウ》を立てることで、ばんぱくの《S級不死 デッドゾーン》を誘うも、
これはことごとく《超次元ガロウズ・ホール》で返されてしまう。
更にばんぱくの場には《タイタンの大地ジオ・ザ・マン》が追加されたことで各ターンアドバンテージを取り続ける。

マルが再度《革命目 ギョギョウ》を立てるものの、
またも《超次元ガロウズ・ホール》で手札に返された挙句、
《復讐 ブラックサイコ》、《S級不死 デッドゾーン》の多重侵略により手札、場を壊滅させられてしまう。
攻める分には滅法強いであろう「自然単サソリス」だが、
ここまで綺麗にコントロールされてしまっては手も足も出ない。

ばんぱく 1-1

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Game3

一本目二本目ともにデッキの持ち味が光る好ゲームが続く。

シャッフルを進めるなか、ばんぱくがこぼす
「今日初めてのフルカウントだ…」
決勝トーナメントをここまで無敗で駆け上がってきたばんぱくだが、
ここでついに土がついてしまった。
さすがに決勝戦、一筋縄ではいかない。

先攻はマル。
《S級原始 サンマッド》をマナに加えつつ初動は《雪精 ジャーベル》からスタート。
これにより二枚目の《雪精 ジャーベル》を手札に加え、
さらに次のターンでこれを場に呼び、次は《革命目 ギョギョウ》を手にする。

対してばんぱくは《解体人形ジェニー》を召喚。
公開されたマルの手札は
《龍覇 サソリス》
《革命目 ギョギョウ》
《龍覇 マリニャン》
《雪精 ジャーベル》
と非常に濃い四枚。
これには思わず「強い…」とぽつり。
小考の後、《革命目 ギョギョウ》を手札から抜き取る。

マルは《龍覇 マリニャン》を召喚し、
《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を加えて後の展開の布石とした。


ばんぱくはここでビックターンを迎える。
《超次元フェアリー・ホール》から《勝利のガイアール・カイザー》を呼び出し、
《雪精 ジャーベル》にアタック。
これに《復讐 ブラックサイコ》、《S級不死 デッドゾーン》の多重侵略により、
マルの手札2枚と《雪精 ジャーベル》2枚を墓地へと送り込むこととなる。。

手札は0枚、場には《龍覇 マリニャン》、《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》と
先のターンまでが嘘のように厳しい展開へと追い込まれた。

が、ここでデッキから引き寄せたカードは《龍覇 サソリス》
これには会場もどよめく。
《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》の恩恵を受け、ちょうど5マナで戦場へと躍り出ると、
《邪帝斧 ボアロアックス》を装備。さらにマナゾーンより《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》を呼び寄せる。
ばんぱくの《S級不死 デッドゾーン》を討ち取り、再度マナゾーンへと戻っていった。

ばんぱくも応戦する。
まずは《超次元ガロウズ・ホール》で自分の《解体人形ジェニー》を手札に戻し、
超次元ゾーンより《勝利のガイアール・カイザー》を呼び出し《龍覇 マリニャン》にアタック。
これに墓地から《S級不死 デッドゾーン》を侵略させ、《龍覇 サソリス》を同時に対処。
マルの場を《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》一枚だけに整理する。

静かな2ターンの後、
マルが《トレジャー・マップ》から《龍覇 サソリス》《邪帝斧 ボアロアックス》、《動するギガ・ホーン》と動き、
《革命目 ギョギョウ》を手札へと加える。

これは先にのターンに出しておいた《解体人形ジェニー》が《復讐 ブラックサイコ》に進化し墓地に落とす事となる。
一枚のカードから多数の展開ができるマルに対して、
逐一それに対してアクションを取り続けるばんぱく。
手札を咎め続けたとしてもデッキトップからの解答に対しては打つ手がない。
そして《S級不死 デッドゾーン》の攻撃時効果で場を咎めに行こうとするならば、
マルのシールドを割る必要が出てしまうためそれまでの行動に対しての矛盾が生まれてしまう。

マルはそんなばんぱくのジレンマを逆手に取りつつゲームを進める。
ターンの初めに《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》が姿を現すと、
デッキから引き寄せた《龍覇 マリニャン》から《龍魂教会 ホワイティ》でばんぱくの《霞み妖精ジャスミン》の足を止めつつ、
盤面の総コストを20以上を達成することで《邪帝遺跡 ボアロパゴス》を展開することとなる。
これによりマルはさらに展開を加速させることが出来、
盤面が整い次第《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》でゲームを終わらせに行ける事を暗に主張する。

対するばんぱくはドローが振るわない。
序盤にこそ価値にあるマナブーストをこの最終局面を前に重ねて引き続けてしまう。
不幸なことに《S級不死 デッドゾーン》もマルの《雪精 チャケ》を起点としたコンボでマナへと送られてしまった。

マルは《革命目 ギョギョウ》を召喚し、マナゾーンより《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》を呼び出し攻めに移る。
まずは《革命目 ギョギョウ》で2枚、そして《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》で1枚。
ここでばんぱくのシールドから《ディメンジョン・ゲート》がトリガー。
入念にデッキを確認し、残る2枚のシールドの中身を確認しつつ《斬隠オロチ》を手札に加える。
もう一枚のシノビ《光牙忍ハヤブサマル》は再序盤にマナに置いてしまっていた。

残るマルのアタッカーは
《龍覇 サソリス》
《掘師の銀》
《鳴動するギガ・ホーン》
《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》
の四体。
対するばんぱくのシールドは2枚。

《龍覇 サソリス》のアタックは少し考えたのちシールドで受け、
続く《掘師の銀》のアタックに先ほど加えた《斬隠オロチ》を合わせる。
これにより《革命目 ギョギョウ》の効果が誘発し、
ターンプレイヤーであるマルが《龍覇 サソリス》《邪帝斧 ボアロアックス》そして《雪精 チャケ》を新たに戦場に加えた。
ばんぱくは意を決し自身の《霞み妖精ジャスミン》を対象に取り、デッキを捲り始める。
ここで《龍素記号Sr スペルサイクリカ》が姿を現したのなら、
《超次元ガロウズ・ホール》《ヴォルグ・サンダー》のワンチャンスが期待できる。
だが、ここで姿を現したのは《解体人形ジェニー》
これ以上マルの攻勢を止める術を持たないばんぱくは自身のカードを手早く仕舞う他なかった。

激戦を制したのは新潟が誇るサソリスの名手、マル!
自身3枚目の《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》を手に嬉しそうにはにかんでいた。

あと一歩及ばず敗れたばんぱくはゲームを振り返って言う。
「後半でマナ加速を重ねて引いてしまったんですよね…。
あと一枚、超次元呪文が引けていたなら…。」

相手より多くのリソースを使うためにマナブーストは重宝される。
だが、それは再序盤に限った価値であり、後半に引いてしまうとなんの意味もなさくなってしまう。
それはマナブーストを採用するうえでのリスクとリターンなのは言うまでもないだろう。

明日6/18はファミリアCSが開催される。
ガルドCSから一か月の月日が流れ、環境は一変した。
超大型大会であるDMGP2nd開催、そしてDMR-21「革命ファイナル第1章 ハムカツ団とドギラゴン剣」の発売。

マルが自身4枚目の《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》を手にするのか、
はたまた誰かがそれを阻止するのか。

残された時間は僅かだが、悔いの残らないようデッキと向き合ってほしい。

     ナルサワ

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